ママさんナース

終末期の患者さんがいる病棟で

終末期の方がたくさんいる私の病棟で、私が一番強いのが転倒・転落事故と麻薬の事故です。痛みが強いために医療麻薬を使っている割合が他の病棟より高く、また終末期で日常生活動作がだんだん落ちてきている方が多いためです。
 転倒などは特に夜勤の時にびくびくしてしまいます。夜になると、昼間の時とは全く違う様子になる患者さんがとても多くて、不穏になったりせん妄状態になって急にベッドから起きようとして転落したりということが時々あります。自分が移動させている時に手が滑ったとか、そういうことなく、患者さんが自分で転倒したり、転落したりするのですが、そうであってもやはり自分の勤務内に起こったことは自分に責任があるので、とても怖いことです。転倒などしたらやはり当直医に連絡して全身を見てもらわなければならないし、そうなると他の患者さんはさておいて、連絡やて処置に奔走しなければならなくなります。きっとあと数日で自分で歩くことも、立ち上がることもできなくなるだろうとわかっていても、やはりそれ以上転倒・転落しないように対策をたてなければならないし、カルテ上に記載すること、インシデントレポートなどなどそのあともやることがたくさんできてきます。何より、その患者さんを転ばせてしまった・・・という事実だけが自分に重たくのしかかってくるのが毎回毎回苦しくてたまりません。
 麻薬に関しても、私の病棟では1時間ごとにシリンジポンプを点検して、チェックするのですが、それでも間違いが起きてしまいます。麻薬での事故は、例えば量が多かったら患者さんの命に関わるし、少なかったら患者さんの痛みがとれずに苦しむことになるし、麻薬を扱うのには未だに緊張が伴います。また、こぼしたりしたら最悪な場合、保健所に連絡・・・とか自分の手から離れたところまでいろいろな影響が及んでしまうことを考えると、それもとても恐ろしいことです。
 転倒・転落も、麻薬事故もなくて当たり前のことですが、どのインシデントもいつ起こってもおかしくないものでもあって、そのぎりぎりのところを守る看護師の神経たるやすごいものがあるな・・・と我ながら思います。自分の勤務時間が終わる時「今日も何もなくて本当によかった」といつもほっとしているのはきっと私だけではないように思います。